塩ビとは「塩化ビニル樹脂」又は「ポリ塩化ビニル」を意味する。一般的に略して「塩ビ」と言われている。
「塩ビ製品」とは塩化ビニル樹脂を主原料として製造された各種製品の総称で可塑剤を含んだ軟らかい製品「軟質塩ビ製品」と可塑剤を含まない硬い製品「硬質塩ビ製品」に大別される。柔らかいフィルム、シート、電線被覆材、ホース、チューブ、自動車内外装部材などから硬い配管、平板、波板、雨樋まで様々の製品に加工され、使用されている。
特徴
- 比重1.4、見かけ比重0.4~0.7の粉末で可塑剤を加えることで軟質、透明樹脂となる。
- 可塑剤、添加剤、安定剤を加えることで硬貨樹脂から軟質樹脂まで幅広い性質の材料を作ることができる。
- 耐酸性、耐アルカリ性、耐水性が良く、耐候性にすぐれている。
- 電気絶縁性で良く、電気特性にすぐれている。
- 難燃性である。
- 加熱すると、65~85℃で軟化し、120~150℃で可塑性となる。
- 170℃で溶解し、190℃では塩酸を出して分解する。
- 成形性、熱溶着性は良いが、高温化では分解するため成形温度に注意する必要がある。
応用例
- 建材(平板、パイプ、波板、ホース、壁紙、塩ビタイル、継ぎ手、屋根の樋、外壁カバー、排水管、電線カバー)
- 農業用(濃ビ、給水、排水管、栽培用支柱、育苗カップ)
- 電気電子関係(電線、絶縁カバー)
- 日用品(椅子カバー、レザー、カバン、靴、履き物、コート、軟質ホース、透明シートカバー)
- 包装関係(食品容器、シャンプー容器、包装用フィルム、シート)
- その他(本のコーティング、医療機器、レース)
《参考文献:プラスチック活用ノート/工業調査会 四訂版 伊保内 賢 編 大井秀三郎・広田愃 著/P78》