アクリル酸またはメタクリル酸のエステルを主成分とする樹脂の総称であるが,一般には有機ガラスとして知られるメタクリル酸メチル樹脂methyl methancrylate resinを指す。メタクリル酸メチル樹脂は無色透明で,硬く,かつ耐候性にすぐれている。とくに透明性は通常知られている樹脂中もっとも高く,かつ屈折率も大きいので,光学材料として広く用いられている。とくに無機ガラスに比べ,強靱であり,安全性が高く,着色,加工も容易であり,照明用,看板・広告用をはじめ,自動車,航空機の窓ガラス,住宅,工場の明り採りなどに用いられる。
特徴
- ガラスより光線透過率が良く、透明性にすぐれる。
- 透明プラスチックの中では最も耐光性が良い。
- 硬度が高く、表面光沢にすぐれる。
- 水、塩、弱酸に耐え、有機ガラスとして使用される。
- 成形性が良好である。
- 100℃で変形することがある。
- 電気特性にすぐれる。
- 注型成型が出来る。
応用例
- 照明関係(シャンデリア、蛍光灯カバー)
- 光学関係(窓ガラス、光通信ファイバースコープ、CD、LD)
- 自動車関係(ランプカバーレンズ、センターマーク)
- 電気関係(ステレオカバー、テレビ前面マスク、計器盤カバー)
- 日用品関係(万年筆、シャープペン、ボールペン、文具、ブラシ柄、台所用品)
- 医学関係(義歯、義眼、ファイバースコープ)
- 建材関係(看板、透明ドア、車庫屋根、防音透明壁)
- その他(装飾品、ピアノ鍵盤、ドア把手)
《参考文献:プラスチック活用ノート/工業調査会 四訂版 伊保内 賢 編 大井秀三郎・広田愃 著/P123》