テレフタル酸とエチレングリコールとの重縮合反応で得られるポリエステル樹脂である。1949年に繊維が工業化されて以来、繊維、フィルム、ボトルとその用途を広げている。世界の合成繊維の75%はPETで作られている。また、フィルムは磁気テープ包装材料として、ボトルは清涼飲料用として使用されている。身近に使用され、日常生活に欠くことのできない樹脂となっている。ガラス強化品は工業品として使われている。
特徴
- 耐熱性にすぐれている。融点は245℃の結晶性樹脂である。
- 流動性が極めて良く、成形しやすい。
- 耐薬品性にすぐれ、食用油や酸、アルカリ、薬品に強い。
- 安全性にすぐれ、食品包装材として使用できる。
- 延伸特性にすぐれている。強度が強く、透明で寸法精度のある製品ができる。
- 強化品は成形収縮率が小さく、構造体用精密成型品ができる。
- 腐食性がなく、難燃化が容易である。
- 耐摩耗性が良好で、自己潤滑性を有する。
- 幅広い周波数に対して安定した電気特性をもつ。
- 耐熱性が良く120~140℃で連続使用できる。
応用例
- 繊維製品(Yシャツ、背広、コート、スーツ、下着などほとんどすべての衣料品、テント、ロープ、カーテンなどの繊維製品)
- フィルム(磁気テープ、カセットテープ、キャッシュカード、コンデンサー用フィルム、食品包装用フィルム)
- ボトル(清涼飲料用、醤油、食用油、炭酸飲料用)
- 自動車用(外板、機構部品、電飾品)
- 工業用(家電熱機器ハウジング、照明機器配線部品、ドライヤー、ヘアーカーラー、電子機器部品)
《参考文献:プラスチック活用ノート/工業調査会 四訂版 伊保内 賢 編 大井秀三郎・広田愃 著/P86-87》