テレフタル酸とブタンジオールとの重縮合反応で得られるポリエステル樹脂で、結晶性樹脂である。ガラス強化品がよく使われている。未強化品はPETと同じ成形ができる。5大エンジニアリングプラスチックの1つである。
特徴
- 耐熱性にすぐれている。融点は225℃でPETより約20℃低い。常温での強靭さは同等である。
- PETと比較して、吸水性が少ない。
- 流動性が極めて良く、成形しやすい。
- 強化品は成形収縮率が小さく、寸法精度の良い精密成型品ができる。
- 結晶性樹脂であるため、耐薬品性にすぐれている。
- 腐食性がなく、難燃化が容易である。
- 耐摩耗性が良好で、自己潤滑性を有する。
- 幅広い周波数に対して安定した電気特性をもつ。
- 耐熱性が良く、120~140℃で連続使用できる。
- 経済性にすぐれている。
応用例
- 自動車部品(ワイパー部品、ミラーハウジング、ウインドウォッシャーノズル、エアフローセンサー、ディストリビューター、コネクター、キャブレーター、リアエンド、フロントフェンダーベゼル、ガスキャップ、ドアロックノブ)
- 電気用途(電動工具、コネクター、コイルボビン、スイッチハウジング、バルブ、タイマーケース、端子板)
- 機器(マジックキャップ、空圧機器、キートップ、時計部品、カメラ部品)
- その他(日用品、スポーツ用品、建材部品、コンテナ)
《参考文献:プラスチック活用ノート/工業調査会 四訂版 伊保内 賢 編 大井秀三郎・広田愃 著/P92-93》