EPは機械的強度、耐熱性、電気的性質、耐薬品性、接着性などが優れている。そのため塗料、電気用途、土木用途、接着剤、複合材料用途など幅広い用途に使用されている。成形材料としては、電気・電子分野ではプリント配線基板、半導体封止材料、コネクタカバーなどに使用されている。EPの代表的用途であるプリント配線基板は、はんだ耐熱性、難燃性、スルーホールの打抜き加工性、電気特性などの特徴を活かした応用例である。
特徴
- 硬化剤を使用する架橋タイプの樹脂である。
- 硬化剤の組み合わせによって、各種の性質をもつ樹脂ができる。
- 接着性、機械的な性質、電気的性質、化学的性質、寸法精度などにすぐれた性質をもつ。
- 強靭な樹脂から、可撓性にすぐれたものまで、幅広い樹脂が得られる。
- ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから合成されるエポキシ樹脂は、汎用品としてよく使用される。重合度の違いによって液状から高分子量固形タイプまである。
- 特殊エポキシ樹脂は、硬化剤として特殊な機能を付加する硬化剤を使用している。難燃性、耐熱性、耐トラッキング性、可撓性などを付与した樹脂を作ることができる。
- グリシジル型エポキシ樹脂は、電気絶縁性が良く、耐トラッキング性に秀でている。
応用例
- 電気・電子分野(IC基板、プリント配線基板、半導体の封止材、変圧器の注型碍子、コネクターカバー)
- 土木・建築資材(コンクリート補修材、床材、止水材、表面保護材、通路の補修材)
- 食品分野(清涼飲料缶の内部コーティング、缶詰用金属缶内部コーティング、食用缶内外面ラッカー)
- 塗料分野(船舶防食塗料、化学プラント防食塗料、パイプの内面塗装、自動車用ボディ電着塗装)
- 接着材(各種構造接着剤、電装部品)
- 構造材(化学工業タンク、パイプ、給水塔タンク、自動車部品、樹脂型など)
《参考文献:プラスチック活用ノート/工業調査会 四訂版 伊保内 賢 編 大井秀三郎・広田愃 著/P234》
《参考文献:プラスチック材料大全/日刊工業新聞社 2017年4月21日発行 本間 精一著/P117》