PFAは分子鎖にフッ素原子を有するプラスチックの総称であり、種類は非常に多い。代表的なものはポリフルオロエチレン(PTFE)である。
特徴
- 連続最高使用温度は260℃である。また、低温特性も優れており、-196℃においても粘り強くて脆くならない。
- 耐薬品性は優れており、酸、アルカリ、溶剤などに侵されない。また、表面自由エネルギーが小さいため非粘着性である。
- 比較的軟らかい可撓性のある材料である。機械的性質は高くないが、広い温度範囲で強度を保持している。
- 静摩擦係数、動摩擦係数は低く、耐摩擦摩耗性が優れている。
- 無極性で吸湿性が低いため広い周波数と温度範囲で誘電率および誘電正接が低い値を保持している。
- 耐候性が非常に優れている。屋外で長時間使用しても物性低下はほとんど起こらない。
- 難燃性である。酸素指数は95以上である。
- フッ素原子を有するため、廃棄するときには環境規制基準に従った取り扱いをしなければならない点に注意すべきである。
応用例
- 工業用品(化学工場用バルブ、配管コーティング、ジョイント、ガスケット、ウェハーキャリア、サイロ内部コーティング、軸受け)
- 理化学機器(ビーカー、試験管、配管、ジョイント)
- 建築資材(ドームの屋根、耐候性改良)
- レジャー・娯楽(テント、防水材、スキーウェア)
- 家庭用品(調理器具、フライパンのコーティング、電気炊飯器、パン焼き機、傘の防水、製氷機)
- 電気絶縁分野(絶縁フィルム、地下ケーブル、コンピュータ配線、原子力発電所配線、電線被覆、耐熱電線、油田用ケーブル)
- 樹脂改良剤(摩耗性改良、摺動性改良、耐候性改良、難燃性改良、耐薬品性改良、潤滑性改良、成形性改良)
《参考文献:プラスチック活用ノート/工業調査会 四訂版 伊保内 賢 編 大井秀三郎・広田愃 著/P150》
《参考文献:プラスチック材料大全/日刊工業新聞社 2017年4月21日発行 本間 精一著/P105》