PCはバランスの取れた機械的性質を持つ結晶性樹脂で、汎用エンプラ中唯一の透明性樹脂である。成形収縮率が小さく、寸法精度が良好であり吸水性が少ないので寸法安定性に優れる。強度、特に耐衝撃性が非常に大きくクリープが少ない。また、電気特性も非常に良好である。
特徴
- 熱可塑性プラスチックの中で最強の衝撃強さをもち、機械的な性質にもすぐれている。
- 成形収縮率が小さく、寸法精度の良い成型品が得られる。
- 自己消化性で、難燃剤を加えると容易に難燃グレードとなる。
- 耐熱性があり、低温特性も良い(-100℃~+135℃)
- 透明で耐光性もあり、吸水性も小さい。
- 毒性がなく食品用としても使われている。
応用例
- 電気製品および部品(コネクター、リレー部品、ヘアドライヤー、アイロン水タンク、テレビ、複写機シャーシ、エアコン、加湿器、コーヒーメーカー、フードプロセッサー、電動工具)
- 情報関係(コンパクトディスク、ミニディスク、ファックス、携帯電話ハウジング、パソコン、複写機部品、レジスターハウジング)
- 自動車部品(ヘッドランプ、ドアハンドル、シロッコファン、銘板、安全ベルトボビン、窓ガラス、ヘルメット)
- 建材関係(アーケードカバー、透明壁画、高速道路防音壁、明かり取り屋根、安全窓ガラス、防弾ガラス)
- 食品関係(哺乳ビン、18L水ボトル、カレー用包装フィルム、電子レンジ用食器など)
- 医療機器(コネクター、アニマルケージ、人工腎臓ハウジング)
《参考文献:プラスチック活用ノート/工業調査会 四訂版 伊保内 賢 編 大井秀三郎・広田愃 著/P95-96》